非感染性疾患(Non-Communicable Disease、以下NCD)は がん・脳卒中・心臓病・高血圧・COPD・うつ病などの生活習慣病の増加という形で顕在化し、我が国のみならず世界的に深刻な健康問題となっています。NCDの主なリスク要因は、喫煙、不健康な食事、運動不足、アルコール摂取、ストレスがあげられます。今日、世界で13億人以上の人々が肥満/肥満予備軍となり、2035年には2型糖尿病患者は5億9,200万人に増加すると予想されています。そしてNCDによる死亡の約80%が低/中所得国で発生しています。
我が国では、依然がんの死亡率は高く、死因の約29%を占め、効果的な一次予防戦略として、食事、運動、ストレスの改善、ワクチン接種、早期発見等、統合的な治療プログラムを実施することにより、がんの増加を減少させうる可能性を持っています。さらに、世界中の認知症の人々の数は、2050年までに1億3,500万人に達すると予測され、莫大な費用を伴うことが懸念されています。 WHOでは認知症に代表される脳に関わる疾患についても、NCDポートフォリオの優先事項に含めることを検討しています。